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鮭が故郷へ戻るよう祈り、働きかける部族たち
北カリフォルニアに、日本人にも知られている霊山、シャスタ山があります。
このエリア一帯は、広く国立森林に指定されており、大きな湖があり、川も何本か流れています。

そのうちの一つはマックラウド川といい、かつてチヌーク・サーモン(鮭)が産卵することで知られていました。
しかし、この川にダムが建設されて以来、もう70年近く、その自然の営みは失われてしまっています。

国立森林はレクリエーションエリアで、
許可証があれば、
ダムや採掘場として開発される事が可能なエリアです。
国立公園や原生林では、それは許されていません。

ここシャスタ山を本拠地とする、ネイティブアメリカンがいます。
ウィネマム・ウィンツー族です。

「私たちウィネマムは、サーモン人間だが、
シャスタ・ダムのおかげで、
もうサーモンは、この川を泳ぐことができなくなってしまった。」

ウィネマム・ウィンツー族は、アメリカ連邦政府に、先住民として認識されていません。
滝で、約100人のウィネマムとサポーターたちに向かって、リック・ウィルソンは語りました。
「だから、彼ら(サーモン)のために、私たちがそれをしなければならない。」
サーモンは、彼らにとって聖なる魚なのです。

100人のウィネマムとサポーターたちは、
下流の滝の緩やかな崖から川の中へ飛び込み、
中流では、15mほどの高さの羽のように軽い滝の下で泳ぎ、
上流では、
かつて産卵のための場所だった、
凍りつくような溜まり水の中へと飛び込み、
川底から石を取ってきました。
ちょうど鮭が卵を産み落とすために遡ったように。

そこでウィネマムが、霊的な儀式『コーンロッド』をすること、
それは、彼らの失われた聖なる魚とのつながりを維持することが、意図されていました。
しかし伝統的に連邦未認可の部族が、いつかそのサーモンと滝を泳ぐという計画は、
全く予想しない場所から、彼らを輸入し取り戻すということになりました。
その場所とは、遥か遠いニュージーランドです。

「私たちがこの世界に初めて現れた時、サーモンが、彼らの声を私たちに与えました。
そしてそのお返しに、私たちは常に、彼らのために話すと約束したのです。」
霊的リーダーで伝統的チーフでもあるキャリーン・シスク−フランコは言います。
「しかし今、私たちはキウィの言葉で話すことを学ぶ必要があるのかもしれません。」

第二次世界大戦中、高さ約183mのシャスタ・ダムは、マックラウド川の下流42kmにわたり氾濫し、
チヌーク・サーモンが、産卵のために戻ってくるのをブロックしました。
彼らは、サクラメント・リバー・サーモンとともに同化するか、
ダムに自分たちの頭を強打して死ぬことしか、残されていませんでした。

しかし、運命のめぐりあわせとは不思議なもので、
ウィネマム・サーモンは、マクラウド川にある連邦孵化場が、ニュージーランドに卵を送ったため、
ニュージーランド漁業組合によると、二十世紀初頭には地球を横断して、繁殖していたのです。

「マックラウドの祖先たちに比べると、やや小振りながらも、
ラカイア川にいるサーモンは、遺伝的には原始のままで、病気からも解放されています。」
この川の鮭孵化場で、ニュージーランド漁業組合のマネージャーを務めるダーク・バァーは言います。

「この魚たちこそ、マックラウド・リバー・サーモンとして育っていくかもしれません。」
シスク−フランコは言いました。

孵化場が建設された1870年代は、ウィネマムが最終的に鮭養殖業者たちと窮屈な協定を交わし、
また彼らの聖なる魚と霊的な誓約を交わした時でした。
孵化場は、彼らの卵や精子を取るかもしれませんが、
サーモンはつねに、マックラウドに帰って来られるかもしれません。

しかし、ダムの存在は、当然この誓約を破りました。『償い』は、部族の使命でした。
去年の春に、30名ほどのメンバーが、クレジッドカードを使ったり寄付を募ったりして、
すでに一世紀近く経った後に、初めて鮭の儀式をそこでするために、
ニュージーランドへ行く旅費を作ったのです。

キャンターベリー地方で、マオリ族によって、ウィネマム・ウィンツー族はもてなされ、
孵化場を訪れました。
そして4日間の間、ラカイア川のほとりで、鮭に許しを乞うために、踊り、歌いました。

「儀式の間、私たちは、鮭が私たちのために水面から飛び上がるのを見ました。
私は、彼らが私たちと会えてハッピーなのだとわかっています。
そして、彼らは故郷へ戻る準備ができているのです。」と、シスク−フランコは言いました。

修復された霊的なつながりとともに、部族は、サーモンが帰ってくるための刷新的な計画のために、
連邦政府のエージェンシーと働いています。
ニュージーランド漁業組合とマオリ族からはすでに確約した賛同を得ており、
ウィネマムは、ラカイア川からサーモンの卵を輸入し、
マックラウド川の上流にある彼ら自身の孵化場、鮭がこの川に順応できるだろう場所で育てる予定です。

連邦政府の生物学者は、鮭の幼魚がダム貯水池へ下るには、たぶん助けが必要だろうと言っていますが、
産卵する鮭が、マックラウド川の水で育った幼魚として刷り込まれているのなら、
かつて彼らの産まれたところの水の匂いを嗅ぎ分けて、戻る道を見つけ出すに違いないと、
シスク−フランコは言います。

生物学者はすでに、冷たくて澄んでいるマックラウド川を、
鮭が生き残るためには、再び引き合わすべき川として最適だと、狙いを定めています。
ウィネマムの計画は、鮭をダムの上や下で捕え、トラックや船で鮭を回遊させるより、
コストパフォーマンスの良い選択となるでしょう。

ウィネマムにとって、18の歴史的な原生河川の中で、たった3つの川に生息するセントラル・ヴァリー・サーモンを保存することは、
彼ら自身の文化を保存すること以外の何ものでもないのです。

「たぶん、私たち自身も、生息絶滅種のリストに載せられるべきでしょう。
なぜなら、私たちは今だに、ダムが私たちに為したことから復活しようとしているところなのです。」
と、シスク−フランコは言います。
「私たちが回復するためには、マックラウド川にサーモンがいることが不可欠なのです。
私たちは、その関係性が回復されることを必要としているのです。」

*右の写真は、
ベイエリア(と呼ばれる所)から来たアステカ族のダンサーたち。

ウィネマム・ウィンツー族が彼らとともに、
年間行事のコーンロッドの儀式をすることで、
マクラウド川のサーモンと
ウィネマム・ウィンツー族のつながりが維持されるよう
意図された。

シャスタ・ダムの工事は、
マックラウド・サーモンを絶滅させたが、
今、ニュージーランドで繁殖したチヌーク・サーモンの子孫たちが、故郷へ帰ってくる。

<原文>カリフォルニア・ウォッチ紙/マーク・ダディガンのレポートに補足しました。
http://californiawatch.org/dailyreport/tribe-travels-across-pacific-recover-lost-salmon-species-12116

                                            禮


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